マルシーマークが付いている写真を使ったから著作権侵害なのか?

9月 4th, 2015

マルシーマークが付いている写真を使ったから著作権侵害なのか?


五輪エンブレム問題に関連した内容が続いて恐縮ですが、先日テレビで某有名キャスターの方のコメントが気になったので書かずにはいられません。この騒動で世間の著作権に対する関心が高まったとは思うものの、メディアの報道で時々間違ったものが混ざるのでその点をちょっと危惧しています。

例の空港写真の無断流用に関して「元の写真にはマルシー付いているのでこれは明らかに著作権侵害ですね」と。ということは逆に言うと、マルシーマーク(著作権表示)が付いていないものなら無断で利用しても著作権侵害にならないのか、というように受け取れますよね。
これは間違いです。
日本をはじめ大部分の国で著作権は「無方式主義」と言って、その創作によって発生し、登録や表示が無くても保護されます。これは、ベルヌ条約という国際的な著作権の基本条約で規定されています。
文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(wikipedia)

じゃあ、よく見かけるあのマルシーマークは何のために付けられているのか。これは「方式主義」という、登録をしないと保護を受けられないという著作権法を持つ国において必要だから(だったから)です。では、なぜこの表記がこんなに一般化しているのかというと、著作権ビジネス大国であるアメリカが割と最近までベルヌ条約に加盟せず「方式主義」を採っていた影響だと思われます。アメリカがベルヌ条約に加盟したのはなんと1989年。(ちなみに日本は1899年、アメリカより110年前に加盟しています。)それ以前はアメリカで保護を受けるためには登録をした上で著作権表示をしないといけなかったんです。その名残で最初から表記が必要なかった日本でも、この表記を使う慣習になっていますが、この表記の有無が著作権の有無を表しているわけではなく、権利者が「ちゃんと自分の作品として著作権を意識していますよ」という意思表示(無断利用への抑止力を期待)のようなものだと思うと良いでしょう。

よく「ネットで拾った画像」などと言って、それを仕事にも使う人がいますが、たとえマルシーマーク付いていなくても基本的に全ての画像や写真は著作物として保護されている可能性が高いと思って、気をつけるようにした方が賢明です。

参考までに、逆に表記することで著作物の利用の許諾を明確にしようという意図の仕組みもあります。
クリエイティブコモンズ
このCCマークが付いているものは条件を満たせば自由に使えるという「意思表示」がされている著作物です。(決して「著作権が無い」とか「著作権を放棄している」というものではありません。)